【コラム】スポーツ選手のストレスとケガ
第25回 最先端の科学にふれて、健康に関する視野を広く持とう!
吉備国際大学社会科学部学部長・教授
公益財団法人日本健康スポーツ連盟認定プロフェショナルトレーナー
一般社団法人日本メディセル療法協会理事・学術委員長
竹内 研
健康について考える時も、世の中の傾向として、
「〇〇〇〇〇〇〇〇すると良い」
「△△△△△△△△しているから大丈夫」
と、何か一つか二つくらいの事で足りると思いたがる人が多いですね。
でも人間の脳は、宇宙に匹敵するくらい、未知なるものです。
ということは、人間というものは、そうそう単純にはできていない。だから、健康状態についても、複雑に色んな要素が関係し合って、出来上がっている。
より正確に言うと、健康状態はヒエラルキー、つまり階層構造をしていると捉えなくてはいけない。
生物学的にも、最小単位の細胞の状態を無視していては、健康を目指せるはずはない。
ひと頃、世界中で言われたように有酸素運動が健康にとって重要だとしても、その人の細胞の状態によって変わってくるのは、少し考えれば多くの人がそう思うはず。
考えてみれば、多くの疾病は細胞の異常に端を発する。医学研究の歴史は、細胞研究の歴史と言っても過言ではないですよね。
細胞の状態というベースの上に、様々な健康に影響を与える要因が、相互に関連し合いながら、健康状態が決まってくる。そう考えるのが妥当でしょう。
メンタルでさえ、脳の神経細胞の状態が、そのベース。
そして最先端医科学の研究によって、細胞のミトコンドリアが、極めて大きな役割を果たしていることが解ってきた。ミトコンドリアに目を向けずして、健康を目指そうとしても、それでは健康である確率は相当低くなる。
以前にミトコンドリアについて少し書いてからも、
第17回 細胞はみんな知っている・・・
https://www.s-99.com/column_7/%e6%96%b0%e8%a6%8f%e3%82%b3%e3%83%a9%e3%83%a0-17/
第18回 活性酸素とミトコンドリアの劣化との関係
https://www.s-99.com/column_7/%e6%96%b0%e8%a6%8f%e3%82%b3%e3%83%a9%e3%83%a0-18/
我が国においても遅まきながら(?)医学を含め様々な分野で、ミトコンドリアに関する取り組みが進展しています。その具体的な動向を、直接しかも中心的に携わっておられる方から、お聴きしたりもしています。
健康でいたいなら、健康で100歳まで生涯を全うしたいなら、先端科学の研究を見逃してはいけませんね。
同じく、私たち人間は、数多の細菌によって健康が保たれているということも、世界の最先端研究が、どんどん解明しています。
自分の身体に生息する細菌、正確には細菌叢(マイクロバイオータ)。そのお陰で、私たちは生きている!
お馴染みなのは、腸内細菌でしょうか。しかし他にもたくさん。細菌は私たちの脳の働きにも影響し、つまりはメンタルにも影響を及ぼしている。
どうですか? 健康に関する視野を広く持つ必要性が感じられませんか。
キーワードは「最先端の科学」ですね。
インターネットの時代、世界の最先端研究にふれることは、難しくはありません。