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連載 スポーツ選手のストレスとケガ

第1回 スポーツ選手の心技体、今。

吉備国際大学社会科学部スポーツ社会学科 学科長・教授

竹内 研

言い古されて久しい「心技体」。心技体兼ね備えたスポーツ選手つまりアスリートと言えば、誰が思い浮かぶでしょうか?
 それはともかく、ハイパフォーマンスを実現する必要条件として、心=メンタル,技=スキル,体=フィジカルが取りざたされることには、古今東西さして変わり はないですね。
 もちろん、それぞれについて、科学の進歩と共に、その捉え方や考え方などが変わってきています。例えば、メンタルにおいては、その能力の尺度つまり検査方法 が確立されたり、スキルでは絶え間ない技術革新が見られている。フィジカルにおいても、等速性筋力測定器などに代表されるように、特にアスリートの身体資源を 測る手段・方法などが顕著に開発され、アスリートの特性が浮き彫りになってきています。
 そこで、選手自身や指導者は、トップアスリートの特性と自身や自分が指導する選手を比較して、強化策を組み立てるという作業が行われます。
 心技体それぞれの要素について、科学的知見によって変化・発展が見られていますが、実はそれ以上のパラダイム転換と言っても過言ではない、捉え方の変革が起 きているのをご存知でしょうか。
 それは、科学的エビデンスに基づくというよりも、実践者の類まれな観察や直感に基づくと言えるかもしれません。もちろん、可能な限りの科学的理論との照合は 行われつつですが。
 さらに、心技体それぞれの連環が、このパラダイムの転換とも言えそうな過程の中で、ダイナミックに捉えられてきています。
 FIFAワールドカップに5大会連続で出場するまでになった日本サッカー。40~50年前からすると、考えられないくらいの進歩です。しかし、ここから上に行く のは、相当な至難ではないでしょうか。しかし、少年に目を向けると、そこには世界のどの国をも凌駕しかねない才能がそこやかしこに。では、この才能がそのまま 世界に羽ばたくためには何が必要か?何か忘れられているものはないのか?
 野球人口がどうのこうのと言っても、まだまだ才能ある人材が集まり、巨額のマネーが動くプロ野球界。そこを目指して、すさまじい努力を積み重ねているなお多 くの選手達。プロに行けてそこで活躍できる選手と、プロに行けない選手のちがいってどこにあるの?
 こうした、今なお解き明かされずに存在し、多くの人々の耳目を集めるテーマ。
 これまでとは異なる、概念やパラダイムでもって見てみると、そこには今までとはちがう地平が開けます。
 すでに、独自の考え方や、斬新な取り組み方をして、素晴らしい成果を達成している選手や指導者もいます。
 ところが、そのやり方を単純に模倣しても、同じような成果を上げられないケースも多々。
 旧態依然は、いつどの分野においても、打破されるのが望ましいという思いのもと、スポーツ選手のハイパフォーマンスについて、コンディショニングや傷害に対 するケアなども含め、お話させていただこうと思います。

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