【コラム】スポーツ選手のストレスとケガ
第17回 細胞はみんな知っている・・・
吉備国際大学社会科学部学部長・教授
公益財団法人日本健康スポーツ連盟認定プロフェショナルトレーナー
一般社団法人日本メディセル療法協会理事・学術委員長
竹内 研
私はまるで右往左往するかのように、色々な事に関心を持ってしまった訳です。
自分的には、自分の運動センスのなさだったり、もちろん健康に関する自分の必要性だったり、メンタル的な必要性だったり・・・・・・・で、軽い気持ちで右往左往した訳ではないとは思っているのですが。
ただ常に有ったのは「もっと本質的な事があるのでは?」という、なんとも大それた思いでした。
例えば、メンタルトレーニングに関しても、それは素晴らしいものに違いないのが解りながら、「そうか!脳の使い方に立脚するのがコーチングか。進歩著しい脳科学・認知科学に裏打ちされたメソッドか。」というように。
身体的な理論やメソッドの分野でも、運動学的には背骨の運動性・機能性か、なるほど!それを可能とするには、「ゆるむ」こと、緩解か!
また、生物学的には「やはり細胞だったか!」てな具合に。
細胞はみんな知っている。ひとつの細胞の中にどんな「物」が在るか、小学校や中学校で一応習ったし、だいたいは知っている。最近ではDNAとかは、日常会話でもしばしば聞く。
私が近年、幸運にも知ることとなって、大いに驚き、大いに納得し、大いに本質的な事実だと感じたのは、細胞のミトコンドリアの機能について。
ミトコンドリアと言うとたいてい引き合いに出されるのが「あのミドリムシみたいなの?」。
もちろんまったく違いますが。
ミトコンドリアに関する研究が、いつの間にか世界では物凄く進んでいました。世界ミトコンドリア学会とかでの、正に先端生命・医科学研究。
もちろんミトコンドリア研究は日本でも行われています。しかし、世界で解明されていることは、残念ながらそれらを大きく凌駕する内容でした。
どんどん明らかになってきているミトコンドリアの働きを知ると、何がトレーニング効果を決めるか観えてきました。メンタルが人によって違う生物学的なベース(端的には脳の神経細胞)も、理解できてきました。
なんとまあ、ミトコンドリアは私達人間の、健康やら様々な能力やら、身体や心の状態をつくるキーパーソンとも言うべき存在だったのです。
ミトコンドリアが良い状態だと、トレーニング効果が高まりやすい。
ミトコンドリアが良い状態だと、メンタルが良い状態になりやすい。
ミトコンドリアが良い状態だと、疲労回復や色々な治療などの効果も出やすい。
ミトコンドリアが良い状態だと、健康を保ちやすい。
ミトコンドリアが良い状態だと、美容にも大いに役立つ。
・・・などなど。
(ちなみに、諸々問題となってはまずいので、控えめな表現にしてます。)
では、ミトコンドリアが良い状態とは?
詳細はまた別の機会にですが。
日本でよく言われるように「ミトコンドリアの数を増やす。」のではないというのが、世界の先端研究の結論の様ですよ。