【コラム】スポーツ選手のストレスとケガ
第12回 アスリートの能力を観る
吉備国際大学社会科学部学部長・教授
公益財団法人日本健康スポーツ連盟認定プロフェショナルトレーナー
一般社団法人日本メディセル療法協会理事・学術委員長
竹内 研
アスリートのパフォーマンスを高めようとする時に、そのアスリートの身体から何を感じるか、読み取るか、これが最も重要です。
ただ、筋肉の着き方しか見えないのか、せいぜいアラインメントくらいまでしか見えないのか、もっと深いものが見えるのか・・・・・・。
ちなみに、アスリートのメンタルも、その選手の身体に如実に表れます。
少し深いレベルで、例えば「軸」が通っているかどうか、とか言ったりしますが、はたしてその人が言ってる「軸」が本物の軸をとらえて言っているのかとかも。
アスリートの身体をどこまで感じ、読み取れるかは、観る人本人が、自分の身体をどれだけ感じられるか、にかかってます。
悪口になりますが、ボディビルダーの多くは、外面の筋肉ばかりに焦点を持っているので、アスリートの身体の深い感じ方や読み取りができない人が多いです。
そこで、アスリートのトレーナーを本当にやろうとするならば、自分自身の身体を感じることができる鍛練を積み重ねることが必要です。
自分の身体への感性を通して、アスリートの身体を感じるのです。
そして、一番こわいのは、アスリートの身体の状態と、トレーナーの身体の状態が、シンクロすることです。
なので、本物のアスリートは、下手なトレーナーと接点を持つことを嫌います。
まぁ、こうしたことは、医療においても、名医とそうでない医師との違いで、同じです。
これを大前提とした上でアスリートに、救いの手を差しのべる!
2021-08-07